痛みの本来の意味
痛みって聞くと、すごいネガティブなイメージを持ったりする人も多くて、出来れば、痛みがずっと続いている人はもう痛みなんて感じなくていいのに!って思うこともあるかと思います。
じゃあそもそもなぜ痛みって感じるの?って考えた時に、原理原則に基づいて”痛みの意味”を調べてみました。
つまりは、身体を守ろうとする生物のサイレンなんです。
もし、このサイレンが機能しなかった場合。
例えば、裸足で画びょうを踏んだ時に足裏に痛みが走り、血が出てきます。
もし、この痛みを感じなかった場合、足裏の損傷に気づかず、傷はそのまま放置されます。すると、処置されていない傷口からバイキンが入り、バイキンが足裏から血管に入り込んでくると、最悪の場合、足は壊死して切断を余儀なくされます。
脊髄損傷の方は、痛みの感覚が乏しく、床ずれになり重症化するリスクが高いです。
それだけ、痛みというのは、人間の身体を守る反応として必要な情報なんです。
痛みと学校のサイレンはよく似てる
「火事です、火事です。理科室から火の手が上がりました。速やかに避難してください。」
皆さんは、小学校の避難訓練の記憶はありますか?
避難訓練で学校の先生から教わった「お・は・し」のルールを私は今でも鮮明に覚えています。
お・・・押さない
は・・・走らない
し・・・喋らない
この「お・は・し」で大事なことは、非常事態になったときは人間不安になり、パニックに陥りやすいから落ち着いて冷静に行動しましょう。
という教えです。(当時は結構楽しく喋っていたかなw)
要するに、非常事態が起きた時でも、落ち着いて冷静に行動する、ということが大事なんです。
急性痛と慢性痛
では、ここで急性痛と慢性痛について区別します。
急性痛・・・組織損傷の程度から想定される痛み
慢性痛・・・3ヶ月以上続く組織損傷から想定できないほどの痛みを感じる・訴えるもの
急性痛は、身体に非常事態(組織損傷)が起きた時にそれを知らせるサイレンの枠割があり、警告信号としての意味が明確です。
慢性痛はそのサイレンが上手く機能しておらず、誤報が繰り返されている状態です。
先程の学校に例えると、
「火事です、火事です。理科室から火の手が上がりました。速やかに避難してください。」
というサイレンに従って、グラウンドに避難した後に、
「先程のサイレンは誤りでした」
「実は理科の実験でガズバーナーを使用していただけでした」
などといった状態です。
もし、そんな誤報のサイレンが毎日続くとどうなるか?
「また鳴ったらどうしよう?」(不安)
「また鳴るのが怖いから学校に行きたくない」(運動恐怖)
「あのサイレンにはもううんざりしてきた」(抑うつ)
人間、誤報が続くと精神状態がやられてきます。
精神状態はネガティブになると人間は痛みをより感じやすいと言われております。まさに悪循環です。
誤報を解く手掛かり
このサイレンを誤報を解くためにはサイレンのが鳴るシステム、例えば火災報知器の精度を上げることが必要です。
火災報知器は煙を探知するシステムや熱を探知するシステムがあるようです。
一定の基準の煙や熱を超えれば、非常事態と判断しサイレンを鳴らします。
この一定の基準が低いと少しの煙や熱で反応してしまいます。
この精度を適切な煙の量や温度にすることが重要です。
人間の中でその機能を担っているものが”脳”です。
脳の精度を上げることが大事です。
言い換えると、脳を鍛える事が大事です。
脳を鍛える事とは?
脳を鍛える事で大事なことは、冒頭の学校の避難訓練で教わったことと同じで
”落ち着いて冷静に対応すること”
です。
「天気が悪いと腰が痛くなる」
ではなく、
「天気が悪いと腰が痛くなる根拠はないからそう決めつけず、出来ることからやってみよう」
「昨日運動して腰が痛くなったからもう運動しない」
ではなく、
「昨日の運動はハードすぎたからもう少し出来るところからやっていこう」
「もう一生寝たきりになるかもしれない」
ではなく、
「痛いけどまだ歩けているから大丈夫」
人間の認知はその時の思考や行動によって決まるのではなく、それらを“どのように解釈するか”で決まるんです。
これ重要なんでもう一度いいます。
“人間の認知は、どのように解釈するかで決まる”
要は、どう思い込ませるかです。
思い込みです。
私には「出来ない、出来ない」と思って声にも出していたらホントに出来ません。
「出来る、出来る」と脳に思い込ませているだけでホントに出来るんです。
皆さんの脳も一緒に鍛えて、痛みに強い身体、脳を作っていきましょう。