今日のテーマは「杖選びはノルディック杖一択」ということでお話しさせていただきます。僕はもともと病院に理学療法士として勤めていて、もう8年ぐらい働いていました。病院に来る患者さんは高齢者が多く、これまでに5000人以上を見てきましたので、高齢者のリハビリは得意分野です。その中で、杖を使う方も多くいらっしゃいます。杖選びは非常に重要だと感じており、それぞれの杖にはメリット・デメリットがあります。
多くの人は杖を使うと「年寄り」というイメージを持ちがちです。杖を使うことで年齢を感じさせるように見えることに抵抗があるかもしれませんが、機能面に注目してみましょう。
ノルディック杖の姿勢補正
ノルディック杖は姿勢を良くする道具だと思っています。その理由をお話しします。一般的な一本杖の機能は、主に体重を少し支えることです。歩いていて膝や股関節が痛むときに、杖を使って荷重を補助する役割があります。しかし、一本杖には片側につくため、左右のバランスが崩れやすく、体の重心が偏りがちです。結果として背骨が歪んでしまうことがあります。
ノルディック杖は両手で使い、少し長めです。手で前から後ろに漕ぐような動作で体を前進させるため、背骨を起こすことができます。ノルディック杖の力の方向は前から後ろであり、推進力を生み出しながら背骨をサポートします。
背骨の筋力補填と杖の選び方
高齢になると筋力低下が避けられず、特に背骨を起こす筋力が早期に弱くなります。ノルディック杖を使うことで、手の力を利用して背骨を起こす助けになります。ただし、ノルディック杖は荷重には弱いため、膝の急性痛が強い場合などは一本杖の方が適していることもあります。しかし、痛みが和らぎ、背骨を起こしたり前進の推進力を求める場合には、ノルディック杖が非常に有効です。
杖を選ぶ際に困っている方は、今日の話を参考にしていただければと思います。